2009年10月15日木曜日

お父さんと夕ごはんと家族関係

線先日、若年層のマーケティング専門機関であるM1・F1総研が、
生活ラボニュースvol.3「お父さんと、夕ごはんと、家族関係調査」を発行した。 (PDF、500KB)

私もうちの会社も、メディア・シェーカーズさんのことは全く存じ上げていないので、
このようなこと書くのも気が引けるが、
このレポートを読む限り「ん?」と疑問に思うことが多々あったので、書かせていただく。

もちろん、統計はいろんな見方があるので、何が正しく、何が間違っているというのはない。
しかし、この調査においては、「家族揃って夕ごはんを食べる=良い事」という結論ありきの調査に思えるのだ。

PDFファイルの4ページ目(レポート3ページ目)。
なぜ、グラフ3とグラフ4のn(母数)が異なるのか。
現実と理想のギャップを測るのであれば、同条件で比較、つまり、男性のみ回答にするか、女性は配偶者について回答に統一する必要があるだろう。
私は性格が悪いので、グラフ4で唐突にnの条件が変わると、
よほどレポートを書くのに都合の悪いデータが出てきてしまったのかなと、勘繰ってしまう。

で、このレポートにあるような条件での比較と分析が許されるのならば、
グラフ1とグラフ4を用いて、
平日、ほぼ毎日自宅で夕ごはんを食べるお父さんは76%以上にのぼるが、家族揃って毎日夕ごはんを食ることを理想とするお父さんは63.3%であり、実は、自宅外で食事を夕ごはんをとりたいお父さんも一定数いることがわかった。
というトンデモ分析が可能になる。

PDFファイルの6ページ目(レポート5ページ目)。
グラフ15~19。
週5日以上のお父さんは立派だと思うけれど、
週1日以下のお父さんの結果も、はっきり言って悪くない。
例え週に1日以下しか、家族揃って夕ごはんを食べられない家族でも、
70%以上が家族の会話が多く、夫婦仲が良く、夫婦で相談事をし、家族から慕われている。
あまりあてはまらないとあてはまらないを合算した否定的な意見は、
グラフ18を除けば、いずれも30%以下だ。

そもそもグラフ18だって、「家族団らん」という言葉が、
グラフ14にある通り、夕食の時間であると考えているお父さん・お母さんが65%もいることを考えれば、
グラフ18における週1日以下のお父さん・お母さんが、家族団らんの時間がとれていないと考えるのは当然のことだ。

PDFファイルの7ページ目(レポート6ページ目))
グラフ21とグラフ22あたりを見ちゃうと、
もはや家族と週に何回食事をともにしようが、子供とも絆作りには関係ないと思っちゃう。
だって、ほぼ毎日食事をしていても、
子どもに悩みを相談されないお父さんが40%以上、
子ども夢を把握していないお父さんが30%以上いてしまうんだもの。
悩みを相談されない、子どもの夢を把握していないコミュニケーションって何なのだろう。

つまるところ、元も子もない事を言ってしまうと、
週に何回家族と食事をしたとしても、その差はわずかであり、総じて家族仲は良好。で、いいんじゃないかな。

ただ、ごちゃごちゃ言ってしまったけれども、この調査はよくできていると思う。(いろんな意味で)

それなのに、なぜ、家族揃って夕ごはんをとる時間帯は聞かないんだろう。
お父さんは残業、小学生の子どもは塾帰りで、
平日に家族揃って夕ごはんを食べる時間が夜10時という結果が出てしまったとしたら、
それはそれで、歪んでいる気がするなぁ。

2 件のコメント:

  1. この記事を掲載する裏は何なんだろうね。
    よく分かんないな…。
    新聞でも何でも、記事は裏を読まんとねw
    (たまに利権関係が透けて見えることもあるし)


    まぁ一般論として、別に家族じゃなくても一緒にご飯
    食べたりする時間が多ければ、誰だって普通に親しく
    なると思うが…。

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  2. 後半部分、その通りだよね。
    一緒に過ごす時間が多ければ多いほど、
    仲がいいかどうかは別として、親密さを感じるようになる。

    確か、C級サラリーマン講座っていう四コマ漫画で、
    父がリストラ、姉が離婚して出戻り、母がなんちゃらで、
    結果、家族に団欒が戻りましたみたいなオチをつけた話があったんだけど、
    本当にそれで良いのだろうかと思う。
    刹那的な安心感であって、前を向いていないっていうか。

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