そのため、昨日、asahi.comの「コスプレカフェバーひそかな人気 宇都宮」を読み、
本多店長の夢は、コスプレやオタク文化で宇都宮の街を活性化させること。
「宇都宮を第二のアキバにしたい」
と語る本多店長には大変申し訳ないが、脊髄反射的に「勘弁してくれ」と思った。
しかし、一日経ってよくよく考えてみると、アリなのかなとも思った。
そもそも、本多店長が宇都宮の街を活性化させたいと願っているのは、
裏を返せば宇都宮の街に活気がないということ。
(活気がある状態だと思っていれば、市がこんな取り組みを始めることもないだろう)
私がこの本多店長の夢をアリだと考え直したのは、
宇都宮市の活性化のためには、産業構造の変化が必要だと考えたからだ。
意外と知られていないが、宇都宮市は関東でも有数の工業都市だ。
市内だけでも、平出工業団地、清原工業団地、瑞穂野工業団地という大きな工業団地を有する。
隣接して、真岡工業団地や鹿沼工業団地があり、
さらには、上三川町には日産自動車の栃木工場、芳賀町にはホンダ技研のR&Dセンターがある。
宇都宮市内で就業している男性約15万人のうち、20%にあたる3万人が製造業に従事している。*1
昨年来、製造業を取り巻く環境は非常に厳しい。
ご存知の通りサブプライムローンの破綻に端を発した世界不況の影響から、
派遣社員への契約打ち切りや、工場の操業停止・閉鎖などによって、
多くの人が職を失ったり、失職は免れても収入が減った人が多いのではないかと考えられる。*2 *3
当然に、製造業が不振になれば、運送業や小売業などの関連産業にも影響が出て、
宇都宮市の経済は停滞しているだろう。
しかし、景気はいつ回復するかわからない。
国内需要は人口減の影響も含めて、かつてのような伸びは期待できず、海外需要は水物だ。
となると、雇用の受け皿をいつまでも製造業とその関連産業任せにしてよいのかという問題に早晩突き当たるだろう。(もう突き当たったのかもしれない)
そんな中で、観光産業というのは一つの解だと考えられる。
特に、外国人観光客の受け入れという点において期待が持てる。
今までも観光産業に力を入れてきたかもしれないが、それは、餃子やいちごを核にした日本人観光客向け施策だ。
秋葉原は、5年間で外国人観光客を300万人増やした。*4
結果、電気街としての魅力は失われてしまったかもしれないが、
ITと「オタク文化」の街にイメチェンしたと考えればよい。
宇都宮だってそのようなイメチェンはできるはずだ。
イメチェンの結果がコスプレの街になってしまうのは、
宇都宮の出身者として正直どうかと思うが、元気がないよりよほどましだ。
ハイテクとコスプレと餃子。
もはや意味がまるでわからないが、それはそれで魅力的かもしれない。
そんなわけで、本多店長には夢の実現に向けて頑張って欲しいなと思う。
願わくば、「第二のアキバ」などと言わず、「世界のウツノミヤ」を目指して欲しい。
*1 宇都宮市統計データバンクに詳しい。
*2 フジスタッフホールディングスの決算説明会資料参照(PDF)。
製造アウトソーシング子会社アイラインの売上高は、40%以上減とすさまじい。
製造業の雇用調整がいかに急激に行われたか読み取れる。
*3 WorkWorkとちぎ参照。
栃木県の平成21年4月の有効求人倍率を見ると、12月を境に全国倍率を下回っている。
また、有効求職者数がうなぎのぼりになっている。これらは、製造業の雇用調整の影響が大きいと思われる。
*4 記事にもある通り、ユーロ高による影響が大きい。今後は減少するだろう。
関連記事:
完全失業率と35歳 - 2009年5月29日
宇都宮駅東口と宮みらい - 2009年5月22日
まぁ街に活気がないのは今に始まったことでもないしなぁ…。
返信削除宇都宮にもキャラクターが必要だな。せんとくん、みたいなやつ。
蒲生君とかどうよ。
http://www.gamoujinja.com/
…と思ったらなんか変なキャラクターが居る…。
先日うちのアーティストのプロモートで宇都宮いったんだけど
返信削除ポテンシャルはある気がする。
第三者として宇都宮を見ると結構面白い。
ただやってることが何か小さい・・・
工場萌えがいるんだから工場見学の町とか作ったら面白いかもね。
あれ、石川さんよく厨房設備業者さんのコスプレしてましたよね?
返信削除>N里さん
返信削除キャラはトリオでどうよ。「ぜんちゃん、つねちゃん、てっちゃん」で。
>智隆さん
工場見学は大賛成。
せっかくハイテク関連企業が多いんだから、それを前面に打ち出してもよいと思う。
っていうか、Bloggerのプロフィール公開してちょ。
>匿名さん
あれはコスプレではない。
モノホンです。