2009年9月11日金曜日

高齢者世帯の生活保護の増加と定年退食

NHKニュースで、生活保護 最多の123万世帯というニュースを読んだ。
(すでに該当URLがなくなっているので、キャッシュから全文コピペ)

ことし6月に生活保護を受けた世帯は123万世帯を超え、雇用情勢の悪化などから過去最多を更新したことが、厚生労働省のまとめでわかりました。厚生労働省は、引き続き、全国の自治体に対し、就労支援に取り組むよう求めることにしています。

厚生労働省によりますと、ことし6月に生活保護を受けた世帯は、全国で123万7世帯に上りました。これは、前の月より1万4628世帯増え、過去最多を更新しました。ひとつきに増えた世帯数は去年12月から急速に増加し、ことし3月以降は1万世帯を超える急増が続いています。増えた世帯の内訳を見ますと、「高齢者」が2641世帯、「障害者」が1192世帯、「母子家庭」が1062世帯となっていますが、こうした分類に当てはまらない「その他の世帯」が5938世帯と最も多く、厚生労働省は、雇用情勢の悪化で仕事を失った人の世帯が多いと分析しています。これに伴い、ことし6月に生活保護を受けた人数は169万8869人に上り、前の月に比べて1万9770人増加しました。厚生労働省は、今後も生活保護を申請する人が増えるとみて、引き続き、全国の自治体に対し、就労支援に取り組むよう求めることにしています。

早速、厚生労働省の該当のページを見てみると、
表2 世帯類型別現に保護を受けた世帯数」にNHKニュースの詳細な内訳が書かれていた。

NHKニュースに書かれている「その他の世帯」の件はその通りだなと思ったが、
同時に気になったのは、高齢者世帯における生活保護を受けた世帯数の増加だ。
こちらも平成21年に入ってから激増していると言っても過言ではない。

内閣府政策統括官の高齢社会対策のページ内に、
高齢化の状況及び高齢社会対策の実施の状況に関する年次報告(高齢社会白書)が公開されている。

その平成18年版 高齢社会白書(平成17年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況)の、
第1章第2節 高齢者の状況に書かれた図1-1-12 高齢期の生活費不足分の対応方法(PDF 60KB)を見ると非常に興味深い。

高齢者が生活費が不足した際の対応方法は、
平成7年では、
1位 子どもと同居したり、子どもに助けてもらう 36.6%
2位 生活費を取り崩して間に合わせる 26.4%
3位 貯蓄を取り崩してまかなう 21.8%
という順位であった。
できる限り自分の貯蓄には手をつけず、子どもに助けてもらうスタンスと言ったら言い過ぎだろうか。

が、平成13年には、
1位 生活費を取り崩して間に合わせる 35.4%
2位 貯蓄を取り崩してまかなう 27.1%
3位 子どもと同居したり、子どもに助けてもらう 26.4%
になり、平成7年には1位だった「子どもからの支援」が10ポイント以上低下している。

平成13年は西暦にすると2001年。
米国同時多発テロが発生した年であり、経済的にはバブルの後遺症に苦しみ、
日経平均は1984年以来の1万円割れを記録した年だ。
初めて失業率が5%に到達したのもこの年だ。

子どもが親へ支援をする余裕が無かったことが上記結果から読み取れる。

それから8年後の現在。
状況はより悪化している。

真偽の程は定かではないが、
貯金があると、生活保護を受けることができないという話を聞いた事がある。

つまり、高齢者世帯の生活保護受給者が増加しているという事は、
平成13年にはまだ取り崩すことができた貯金が、底を尽きてしまったということだ。
もちろん、子どもからの支援は以前よりももっと期待できない。

少子高齢化が急速に進む中で、自分が高齢者(65歳)になったときにはどのような日本になってしまっているのだろうか。
心配でしかたがない。

故藤子・F・不二雄氏が書いた「定年退食」のような社会にならないことを願うばかりだ。

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